第79回国民スポーツ大会の会期前競技は9月14日、滋賀ダイハツアリーナなどで行われ、体操の成年女子団体総合決勝は愛知が4種目合計206.861点で優勝した。宮田笙子を擁し、連覇を狙った福井は2位だった。

体操の成年女子団体総合で優勝した愛知=14日
5位入賞した滋賀の深沢こころはこの大会での現役引退を表明していた。最終種目の鉄棒では、落下するミスがあるも切り替えて再開。「しっかり練習を積んできた」着地を完璧に決め、地元の大声援に満面の笑み。その後チームメイトや高校時代を過ごした福井の選手らが集まり言葉を交わすと、涙があふれ出た。

体操の成年女子で演技を終え歓声を浴びる深沢こころ=14日
親交の深い宮田は、自身が苦しんだ時は深沢に助けられたといい、「お姉ちゃんのような存在。強くなれたのはこころちゃんが支えてくれたおかげ」と心境を吐露。深沢の最後の演技中は、涙をこぼしつつ声援を送っていた。
深沢は現役生活を振り返り、「たくさんの人に支えられた。感謝の気持ちが絶えない」。あっという間だったという現役生活を、生まれ育った滋賀で華やかに締めくくった。(時事)

体操の成年女子に出場した深沢こころと宮田笙子=14日