国民体育大会から名称変更して最初の大会となる国民スポーツ大会が27日、北海道苫小牧市を舞台に始まる。スケートとアイスホッケーが行われ、2月21日からは山形県内でジャンプなどのスキー競技を開催。1946年に始まり「国体」と親しまれてきたスポーツの祭典は、「国(こく)スポ」として新たな一歩を踏み出す。
大会は転換期にある。初期は戦後復興の一助となり、長らくスポーツ文化の定着や発展に寄与する意義があったが、現在は開催地の経費負担やトップ選手の不参加などの課題に直面。縮小案なども議論されている。特に冬季大会は立候補地が減り、関係者は「このままでいいというのは、まず考えられない」と改革の必要性を訴える。
名称変更の背景には、大会を国や開催地と共催する日本スポーツ協会(JSPO)が推進する大会ブランドの再構築がある。全国スポーツ少年大会や日本スポーツマスターズを含めた3大会を
「JAPAN GAMES」として統合。スポーツ人口を増やすだけでなく競技者や家族、観戦者にとっての魅力を上げ、価値を高めようとしている。
10月に佐賀県で行われる本大会では、個人選手の表彰や一部競技のナイトゲーム開催などの新たな取り組みを準備。動画配信サイト「JSPO TV 国スポチャンネル」では配信試合数を昨年より増やす方針だ。JSPOの森岡裕策専務理事は「家の中でも楽しんでいただける環境を整えたい」と意欲を語る。