学生取材日記
専門家の目・素人の目で見た競技の見どころと生現場の息づかいをリポート
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国体の開催地「いばらき県」
いばらき県の歴史や観光スポット食の情報など。国体開催地いばらき県の魅力をお届け。
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2020年国体
茨城の次は鹿児島! 2020年の国体開催地・鹿児島県に迫る
2019年9月から10月にかけて熱い戦いが繰り広げられた「いきいき茨城ゆめ国体。そのバトンは茨城県から来年は鹿児島県に受け渡される。鹿児島県での国体開催は1972年以来48年ぶり。「燃ゆる感動かごしま国体」を大会愛称に、「熱い鼓動 風は南から」をスローガンに掲げた鹿児島国体に向けた取り組みや準備について、同国体鹿児島市実行委員会の増渕俊隆さんにお話を伺った。観光都市の特性を生かしたおもてなし鹿児島県と言えば、昨年の大河ドラマ『西郷どん』の舞台にもなったのは記憶に新しいが、桜島などを代表として観光地というイメージが強い。国体でもその特性を生かした歴史や文化をはじめ、自然の魅力を発信するのが目標となる。中でも1番の目玉は、選手も鹿児島県を体験することができる国体運営だ。増渕さんは「競技と競技の(間の)空いている1、2時間でも楽しめるメニューを組みたい」と意欲的だ。試合観戦に訪れた観客のみならず、試合に出場する選手たちにも鹿児島県を感じられるような観光プランを用意し、「選手にもまた鹿児島に来たいと思える国体」にしたいという。オリンピックの熱狂を生かして来年の鹿児島国体は東京オリンピック開催後に行われることもあり、国民のスポーツに対する関心も高まっているはずだ。16年のリオデジャネイロオリンピック後にも多くのオリンピアンが国体に出場したこともあり、来年も多くのオリンピアンの出場が期待される。「オリンピックの熱気、感動、余韻を生かしたい」と増渕さんが話すように、オリンピックの熱狂そのままに国体も大きな盛り上がりを見せてくれるだろう。また来年に迫った国体開催に向けて、鹿児島県はプレ大会や事前イベントを企画。特にプレイベントを行うことで、実際の大会運営での問題点を検討してきた。「選手が最高のパフォーマンスができるように、万全の体制で準備をしている」と、本番に向けて怠らない。学生の情報発信力に期待 最後に鹿児島国体が学生に期待することを伺った。増渕さんは「若い人は情報発信力が高いことが特徴。積極的に国体を発信して、若い人にも国体を楽しんでほしい」と、私たち学生にも積極的な国体参加を期待された。大会ボランティアも当初の予想より10代、20代の応募が多いという。ぜひ次回の国体では私たち学生も積極的に国体に興味を示して、国体の熱狂を発信していきたい。筆者 明治大学・大西健太
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弓道ー記事
弓道、静寂の中での激しい戦い(少年男女遠的)
■弓道 チャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120068弓道とは 弓道には2種類の種目がある。近的と遠的だ。今回の国体では3人1チームの団体戦を行い、1人につき4射で3人の合計で12射する。2種目の違いは、距離の遠さや的の大きさ、得点方法にある。 近的は、28メートル先の直径36センチの的を狙う。的に当たればどの部分に当たっても良い的中制で、より多く当たった方の勝利となる。 遠的は、60メートル先にある直径100センの的を狙う。的の中心ほど得点が高くなる得点制で、より多くの点数を獲得できたほうの勝利だ。今回は少年男女の遠的の試合についてリポートする。弓道の風景 弓道の少年男女・遠的は、10月5日に水戸市の堀原運動公園武道館弓道場で試合が行われた。暑い日差しの中、選手たちは狙う的に集中し、しばらく静かな時間が続く。矢を的に当てるまでの動作は8つ。足踏み・胴作り・弓構え・打起し・引分け・会・離れ・残心。非常にゆっくりと流れるように矢を放つ。次いで、矢が的に当たる音が鳴ると、会場は「よし!」と短く大きな歓声があがった。(少年男子の遠的決勝、山口対東京)少年女子は鹿児島、男子は山口が優勝 少年女子の遠的決勝は鹿児島と群馬だ。両チーム同じような点数を重ね、最後まで勝敗のわからない試合。しかし、群馬最後の1射が的の7ポイント枠にとどまり、53―52で鹿児島が2年連続4度目の優勝を決めた。 少年男子の決勝トーナメントでは、山口が高い得点を出し続け、他を圧倒していた。山口県は準決勝の鹿児島戦でも安定して的に当て続け、67―50で山口が決勝へ進出。決勝でも山口は、東京を相手に高得点を出し続け、75―54の大差で優勝に輝いた。 開催県の茨城は、少年男子で6位に入る健闘を見せた。(表彰式終了後、入賞した関東圏の選手たちが写真に収まる)会場に来た水戸黄門 弓道の試合会場となった堀原運動公園武道館弓道場に、水戸黄門一行が訪れた。写真撮影をする際には印籠を持たせてくれる。こういった突然のイベントも茨城国体の魅力だ。(立ち話をする水戸黄門一行)記事・写真 常磐大学 茅根伶
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閉会式
いきいき茨城ゆめ国体―閉会式
第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」は10月8日、ひたちなか市の笠松運動公園陸上競技場で総合閉会式が行われ、11日間の熱戦に幕を閉じた。曇り空の下、会場には大勢の観客が詰めかけ、午後1時からオープニングプログラム、午後2時から式典を見守った。 茨城の総合優勝で国体終了、ゆめ大会へバトンタッチ (茨城県選手団行進)(閉会式で整列する47都道府県の選手団)総合閉会式で司会を務めたのは、開会式でも登場した茨城県古河市出身の俳優渡辺徹さんと茨城放送の菊池真衣アナウンサー。オープニングプログラムの冒頭では、筑波山ガマ口上保存会による「ガマの油売り口上」が1974年の前回茨城国体に続いて披露された。ガマ口上はつくば市認定地域無形民俗文化財で、江戸時代に傷薬として用いられていた軟こうを巧みな口上で売るというもの。勢いのある口上に、司会の渡辺さんは「後世へ大切に受け継がれていくべき」とコメントした。続いて、いばらき舞祭ネットワークによる華やかなダンスがあり、総勢453人による迫力ある演技が会場を魅了した。また、国体に引き続いて開催される全国障害者スポーツ大会の「いきいき茨城ゆめ大会」で実施される2競技が紹介された。フライングディスクの実演には茨城県代表選手の漆野快と小林伸也が登場。円形ゴールを狙って10回投げ、通過した数を競うアキュラシーに渡辺さんが挑戦し、7m先のゴールに2投目で決めた。漆野は「(投げた距離を競う)ディスタンス61mとアキュラシー9投の自己ベスト更新を目標にしたい」と意気込みを述べた。車いすバスケットボールの紹介では、茨城県代表選手の菅谷彰宏と德丸煕が実演。高校生の德丸は「チームの要となって少しでもいい試合ができるように頑張りたい」、菅谷も「なるべくいっぱい勝てるように頑張りたい」と、それぞれ抱負を語った。午後2時、秋篠宮家の長女眞子さまが臨席され、式典が始まった。常総学院高校吹奏楽部と茨城県警音楽隊の約100人で編成された吹奏楽隊による行進曲「そして未来へ」の演奏と、茨城県内で活動する合唱団で編成された合唱隊の歌声とともに、47都道府県の選手団が入場。開催地の茨城県選手団は最後に登場した。続いて大野敬三国体委員長から成績が発表され、茨城県が天皇杯(男女総合優勝)を2569点、皇后杯(女子総合優勝)を1331点で獲得、いずれも45年ぶりの栄冠となった。茨城県には伊藤雅俊大会会長から賞状、眞子さまから天皇杯と皇后杯が授与された。続いて「いばらきゆめ大会」へ炬火(きょか)の分火が行われ、分火者を体操男子の山室光史(茨城県古河市出身)とライフル射撃女子の山田優子(茨城県桜川市出身)が務めた。(天皇杯を掲げる茨城県の関直也(サッカー成年男子) (皇后杯を掲げる茨城県の安嶋千晶(重量挙げ女子))続いて、茨城県の大井川和彦知事から来年の開催地である鹿児島県の三反園訓知事に国体旗が手渡され、鹿児島県旗の掲揚で「燃ゆる感動かごしま国体」の成功を祈願。最後に大井川知事が閉会を宣言した。 (大井川和彦・茨城県知事から三反園訓・鹿児島県知事へ国体旗引き継ぎ)?なお、残念ながら「いきいき茨城ゆめ大会」は台風19号の接近に伴う影響が考慮され、10日に中止が発表された。 記事・写真:常磐大学 立原遥
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バスケットボールー記事
愛知が連覇―バスケットボール少年女子
■バスケットボール チャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120086 10月8日、水戸市のリリーアリーナMITOでバスケットボール少年女子の決勝が行われた。国体最終日の試合で対戦したのは愛知と大阪。大阪が愛知を追う激しい展開となったが、愛知が62-56で大阪を振り切り、2年連続21度目の優勝を飾った。 国体の試合ではコートに5人とベンチに7人の1チーム12人、10分4クオーターで行われる。ボールを持ったチームは24秒以内にシュートをしなければならない。シュート時にファウルを受けた場合、位置ごとに2点または3点分のフリースロー(フリースローラインからのシュート)が与えられる。 【ディフェンスをかわし、シュートを狙う大阪の7番・木下風奏】 愛知、大阪の追い上げかわす ともに選抜チームで、愛知は今夏の全国高校総体(インターハイ)を制した桜花学園高や県内のライバル・安城学園高の選手らで編成し、対する大阪はインターハイ4強の大阪薫英女学院高が主体のチーム。 試合は愛知のボール保持でスタート。愛知はまず平下結貴(桜花学園高)が先制点を決めた。その後も遠めからのシュートを中心に得点を重ね、第1クオーターを19-10とリード。第2クオーターもリードを保ち、32-24で前半を折り返した。しかし、後半の第3クオーターに入ると、大阪に追い上げられ、一時は同点に追いつかれる場面も。それでもタイムアウトで監督の指示を得ると、安定した攻撃と防御が戻り、再び突き離す。第3クオーターは46-38で終了。最終第4クオーターは点を取っては取られる展開となったが、残り6分を切った後、大阪のチームファウル(1クオーターで重ねたファウル数)が5回に。大阪は以降ファウルをするごとにフリースローを与える致命的な状況に陥った。残り1分。大阪は最後の力を振り絞り、追いつこうとするも、愛知の保持するボールが奪えず、そのまま試合終了。愛知が6点差で逃げ切った。 【少年女子で優勝に輝いた愛知】 チーム全員での優勝 試合後、優勝した愛知の平下は桜花学園高として、インターハイ、国体、全国高校選手権(ウインターカップ)の高校3冠を今年の目標としていると言い、「2冠目を取れたのはうれしい。シュートを確実に決めるとか、ディフェンスを振り切るとか、もっと自分の課題を練習して、これからのウインターカップで活躍できるようにしたい」。さらに「ウインターカップで優勝して3冠を達成したいということと、1月にあるU16アジア選手権で勝ち抜き、(年代別の)ワールドカップに行きたい」と大きな目標を語った。 チーム最多17得点を挙げた朝比奈あずさ(桜花学園高校)は「みんなで一丸となって優勝できてとてもうれしい。仲間がサポートをしてくれたので、思い切ったプレーができた」とチーム全員での勝利を喜んだ。そして「国体での経験を生かしてウインターカップで活躍したい」と誓った。写真・記事 常磐大学 茅根 伶
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ボート 記事
水と花のまち潮来で行われたボート競技
■ボート チャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120084 茨城国体のボート競技は10月7日、潮来市の潮来ボートコースで少年男女の準決勝が行われた。ボート競技は、水上でボートに乗り、一定の距離をオールを使って漕ぎ、順位を争う。カヌー競技と似ているが、進行方向に背中を向けて漕ぐのがボート競技の特徴だ。漕ぐ速さを競うシンプルな競技であり、初心者が見ても楽しめる。瞬発力と持久力、一定のリズムが重要視され、2人以上の種目では息の合ったチームワークが要求される。 最終日の7日は前日の天気予報で天気が崩れるとわかったこと、船のシステム的に最終日の競技全部はできないことの2点により、成年男女の全種目が中止となり、少年男女(かじつきクォドルプル、シングルスカル、ダブルスカル)の準決勝のみが行われた。強風のため決勝を行うことができず、準決勝の各組トップが1位の扱いとなった。 時々小雨の状態でも競技は進行していたが、選手への声援は天候に負けることなく熱かった。選手同士での声援も大きく、少年男子のダブルスカル準決勝C組で1位になった大分を長崎のチームが賞賛していた。長崎チームは「九州勢として(大分が優勝したことに)嬉しい」と話していた。国体というのは47都道府県がスポーツを通して、つながることができるものなのだと改めて実感した。茨城の藤崎が5位入賞少年男子のかじつきクォドルプル準決勝D組は京都が1位、少年男子シングルスカル準決勝C組は小野田空羽(島根・松江高専)、同D組は近藤海斗(長野・下諏訪向陽高)がそれぞれ1位、惜しくも茨城の藤崎文也(潮来高)は僅差で敗れ5位だった。少年男子ダブルスカル準決勝C組は大分(選抜)、同D組は京都(選抜)がそれぞれ1位であった。(少年男子のかじつきクォドルプルとダブルスカルで準決勝各組1位になった京都チーム)少年女子シングルスカルは福井・西野と滋賀・落合が1位少年女子のかじつきクォドルプル準決勝C組は東京(選抜)、同D組は埼玉(選抜)、シングルスカル準決勝C組は西野萌恵(福井・敦賀工高)、D組は落合陽乃花(滋賀・彦根東高)がそれぞれ1位となった。優勝を獲得した西野は試合後、「500メートル過ぎたとき、少し飛ばし過ぎてしまった。だが今までで一番力を出した」と語った。次は全国大会に向けて体力と筋力をつけることが目標であり、今後は大学でも頑張りたいと意気込んでいた。(少年女子シングルスカルの準決勝C組で1位の福井・西野萌恵)筆者:常磐大学 軍司優砂
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柔道ー記事
男子は東京都が2年ぶりV、女子は福岡県が2連覇―柔道成年男子と女子
■柔道 チャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120095 10月6日、成年男子と女子の柔道が、龍ヶ崎市総合体育館たつのこアリーナで行われた。成年男子は前年度優勝の千葉と同3位の東京が決勝で対戦。実力チーム同士の決勝は2―0で東京に軍配が上がり、2年ぶり16度目の優勝。女子は福岡が決勝で3―0と静岡を圧倒し、2年連続2度目の頂点に立った。 今大会は5人1チームの団体戦。体重によって順番が決められており、成年男子では先鋒(体重60キロ以下)、次鋒(60キロを超え73キロ以下)、中堅(73キロを超え90キロ以下)、副将(90キロ超)、大将(体重無差別)の順である。女子は、先鋒(体重52キロ以下の少年)、次鋒(57㎏以下の成年)、中堅(52キロを超え63キロ以下の少年)、副将(63キロを超え78キロ以下の少年)、大将(体重無差別の成年)の順。成年男子は東京が王座奪還 この日午前中に行われた成年男子の部。前日に3回戦まで行われ、勝ち残った8チームによって優勝が争われた。前年の実績を誇る千葉と東京が順調に勝ち進む中、同準優勝の大阪は初戦で姿を消した。東京と埼玉、千葉と愛知というカードになった準決勝は両試合とも接戦になるが、東京と千葉がそれぞれ決勝へ勝ち上がった。 東京は先鋒戦、次鋒戦で一本勝ちを収めるなど2―1で勝ち、決勝へ。もう1試合は1-1で迎えた大将戦で、今年の全日本選手権で準優勝の加藤博剛(千葉県警)が大内返しで一本勝ちし、決勝に進出した。 決勝は、先鋒戦、次鋒戦はこう着状態が続き引き分け。しかし、中堅戦で流れが一気に東京へ。増山香補(明治大)が1分30秒に千葉の細谷京亮(千葉県警)を華麗に背負い投げ。これが一本となり、東京都がリードする。続く副将戦でも東京の佐藤和哉(日本製鉄)が技ありによる優勢勝ちで2勝目を挙げ、2―0の結果で東京の2年ぶりの優勝が決まった。連覇を目指した千葉は、あと一歩のところで涙をのんだ。(2年ぶりに優勝した東京代表。左から、青木大、岩淵侑生、増山香補、佐藤和哉、小川雄勢)女子は福岡県が2連覇 少年を3人含めた5人での団体戦となる女子の国体柔道。予選を突破した22都道府県によって争われた。昨年3位の兵庫が1回戦で、同準優勝の神奈川が準々決勝で姿を消すなど、予想外の展開となった。しかし、昨年優勝の福岡は順当に決勝まで勝ち残り、決勝は、神奈川に勝って勢いに乗る静岡との戦いとなった。 先鋒戦、次鋒戦はどちらも果敢に攻めるが引き分けに終わる。試合が動いたのは中堅戦。2019年インターハイ女子個人63キロ級優勝の山口葵良梨(福岡、大牟田高)がその実力を見せつけ、内股と袈裟固めの合技一本で先手を取った。続く副将戦でも福岡の丸山みかの(敬愛高)が粘って優勢勝ち。ここで福岡県の2連覇が決定した。大将戦でも児玉ひかる(東海大)が一本勝ちを収め、優勝に花を添えた。快進撃を続けていた静岡だったが、惜しくも準優勝に終わった。(女子決勝で袈裟固めを決める福岡の山口葵良梨=手前)(小学生相手に指導する素根輝五段=右)世界王者の素根五段が柔道教室指導 また、この日は全日本柔道連盟主催で、2019年世界柔道選手権女子78キロ超級金メダリストの素根輝(そね・あきら=環太平洋大)五段による技の披露と茨城県内の小学生に向けた柔道教室を行った。世界トップの選手の技に会場は大いに沸いた。記事・写真 早稲田大学 山崎航平
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軟式野球ー記事
まさかの幕切れー軟式野球
軟式野球 チャンネルページ URL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120096 10月7日、水戸市のノーブルホームスタジアム水戸で実施された軟式野球の決勝。平日にもかかわらず地元の小学生など多くの観客が訪れた。また、地元の水戸工業高校の硬式野球部員がボールボーイを務め、試合の円滑な進行に貢献した。決勝は、2017年の覇者で昨年2位の愛知と地元の大声援を受けて接戦をものにしてきた茨城の対決。今大会はロースコアの試合が多かったが、決勝戦も秋の訪れを感じさせる涼しい空気の中、熱い投手戦が繰り広げられた。 両チームの投手陣が好投 チーム編成は愛知が和合病院、茨城は常陽銀行。試合は茨城の先攻で始まり、序盤は愛知の左腕・山口直人、茨城の右腕・高崎雄太の両先発投手の投げ合いで、緊迫した展開となった。 均衡を破ったのは茨城。5回1死から6番佐藤史が右翼手の失策で二塁に進むと、次打者の内野ゴロの間に三塁へ。ここで8番津田晃が左翼線に適時二塁打を放った。高崎は先制点をもらった後もコースを丁寧に突き、相手打者を打ち取っていく。しかし、終盤の8回、高崎の制球が突如、乱れる。先頭の7番・市川真悟を四球で歩かせると、続く打者の犠打で1死二塁。迎えた9番・松本弘樹に3球目を右前へ運ばれ、同点に追いつかれた。さらに、1死二塁のピンチが続いたが、ここは愛知の1、2番をしっかり打ち取り、最少失点で切り抜けた。9回は互いにチャンスをつかんだが、ともに生かせず、延長戦に突入した。(9回を1失点に抑えた茨城の高崎)(先制の適時二塁打を放った茨城の津田) 愛知、延長サヨナラで王者に 茨城は延長10回、再び1死二塁の好機をつくった。だが、6回からリリーフで好投する相手の水野駿也に抑えられ、勝ち越せなかった。その裏、「高崎自身のために9回で代えるつもりだった」と渡辺敏崇監督が話した通り、茨城は高崎に代えて瀧功聖を投入。簡単に2死を奪ったものの、前の打席で同点適時打の松本に6球目を完璧にとらえられ、三塁打を浴びた。続く1番・貝本智顕の打席で捕手・佐藤史が変化球を痛恨のパスボール。愛知が2-1でサヨナラ勝ちを収め、熱い投手戦はあっけない幕切れとなった。両チームの継投策が明暗を分けた試合となったが、渡辺監督は「最後は自分たちの弱さが出てしまったが、今は全国2位まで来た選手たちを褒めたい。また来年リベンジしたい」とナインを労っていた。 (この日全得点に絡んだ愛知の松本)(昨年のリベンジを果たした愛知ナイン)筆者:早稲田大学 菊池廉
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ハンドボールー記事
地元茨城の決勝進出に沸く会場ーハンドボール
■ハンドボール チャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120092 10月7日、坂東市総合体育館で行われたハンドボールの成年男子決勝。ハンドボールは6人のコートプレーヤー(CP)とゴールキーパー(GK)の1チーム7人で行われる。スピード感のある試合展開と激しい接触プレーが特徴で、「空中の格闘技」と評されるほどだ。また、テンポあるパス回しから繰り出される多彩な攻撃も魅力の一つだろう。今回の決勝に駒を進めたのは3連覇を目指す埼玉と開催県の茨城だ。埼玉は日本リーグの強豪・大崎電気の単独チーム。対する茨城は選抜チームで、大学生らのほかに大崎電気に所属する選手もいる。会場は地元茨城が決勝に進んだとあって、立ち見客が出るほどの大盛況。地元の高校生による吹奏楽の応援と「いばらき!」コールに包まれる中、茨城は善戦したが、埼玉の力に屈し、地元優勝は成らなかった。茨城、攻撃かみ合わず(地元茨城の決勝に大いに盛り上がる会場)スローオフは埼玉から始まり、いきなりのスカイプレーとなる。これを茨城のGK木村昌丈(大崎電気)がファインセーブで止めると、勢いづいた茨城は速攻で2点を先取した。しかし、埼玉にすぐ反撃を許し、3-3から逆転を許す。攻めてはセットプレーがかみ合わず、得点につながらない。その間、速攻主体の相手に着実に得点を重ねられ、前半21分には8点差以上をつけられてしまった。応援席は負けじと声を張り、茨城の選手たちを励ます。その甲斐あってか前半終了間際には松岡寛尚(法政大)のミドルシュートなども決まり、点差を詰めた。しかし、追いつくことはできず、11-19とリードされ、前半を折り返した。埼玉に完敗 茨城は準優勝で国体を終える後半、茨城は大学生主体に切り替え、巻き替えしを図った。序盤に河原脩斗(日本体育大)が鋭い角度からシュートを決めると、応援席も盛り上がった。しかし、中盤にまさかの失速。フィジカル面で勝る埼玉にシュートを阻まれ、ゴールネットを揺らせない。相手に完全に主導権を握られ、6連続失点を喫するなど一気に引き離された。善戦はしたものの、25-38で敗北。一方の埼玉は3年連続12度目の優勝を飾った。 地元茨城の優勝はかなわなかったが、両チームの激しい攻防や迫力満点のプレーに会場は大いに盛り上がったことは確かだ。茨城県の工夫ある国体の盛り上げぶりは来年の鹿児島国体に良いバトンを渡せなのではないだろうか。筆者:早稲田大学 高橋さくら
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ボクシングー記事
ライトヘビー級で茨城の鬼倉が優勝ーボクシング
■ボクシング チャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120071 10月7日に水戸市北部に隣接する城里町でボクシングの決勝が行われた。会場となった県立水戸桜ノ牧高校常北校体育館には、雨天の中、決勝を生で観戦しようと多くの観客が足を運んだ。 国体ボクシングは、成年男女が3分3ラウンド、少年男女は2分3ラウンドで行われ、ラウンドの間には1分間のインターバル(休憩)がある。競技者は赤または青の自分のコーナー色のグローブおよびヘッドガードを使用する。成年男子ではヘッドガードを使用しない。採点はラウンドごとに赤か青どちらの選手が優れているかを判断し、優れていると判断された方に必ず10ポイントが与えられる方式。採点基準となるのは「ターゲットエリアへの質の高い打撃の数」「技術や戦術の優勢を伴って競技を支配していること」「積極性」の3つとなっている。階級上げて挑んだ鬼倉(成年男子ライトヘビー級で互角の戦いを見せた梅村錬=左=と鬼倉龍大) 成年男子のライトヘビー級決勝は、青コーナーの茨城・鬼倉龍大(茨城県ボクシング連盟)と岩手・梅村錬(拓殖大学)の対戦となった。地元茨城の選手が出場する決勝だけに、選手入場から会場は歓声に包まれ盛り上がった。 1ラウンドでは、両者ともに激しい攻防を繰り広げる。2ラウンドでは、梅村の積極的な攻撃に対し、鬼倉がうまく避けた。インターバルに入ると客席からは鬼倉を応援するコールがあがった。地元の声援を受けた鬼倉は、最終3ラウンド開始後、相手との距離をうまく保ちながら攻めた。梅村も攻撃に出るが、鬼倉の冷静な守りでなかなかポイントにつながらない。3ラウンド終了のゴングが鳴ると、鬼倉は優勝を確信し、笑顔でガッツポーズを見せた。 茨城はライト級でも金中竜児(八千代町役場)が準優勝した。(地元茨城の観客と優勝を喜ぶ鬼倉龍大=中央) 試合終了後のインタビューで、鬼倉は「地元の方からたくさんの応援がある支えられた環境で試合ができたこと、観客の皆さんが喜んでくれたことが何より嬉しい」と優勝の喜びを語った。 さらに「最近の2、3年間は国体のために頑張ってきたので、嬉しさもあるが安心もでかい」と結果を出せてほっとした様子だった。鬼倉は階級を上げてから初の公式戦での優勝となった。階級を上げて初めて挑んだ試合では、体重を無理に増量してしまい体力が持たなかったという。その時の反省を今回に活かした。また、鬼倉は今回の決勝で、国体のために練習したジャブで成果を出すことができ、「1ラウンド後半から優勝に確信が持てた」と語った。優勝の波に乗って、11月に行われる全日本ボクシング選手権大会や来年のオリンピック大会での活躍につなげてもらいたい。記事・写真:常磐大学 立原遥
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陸上ー記事
茨城が成年女子で活躍-陸上3日目
■陸上競技 チャンネルぺージURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120079 10月6日、国体陸上競技第3日がひたちなか市の笠松運動公園陸上競技場で行われ、地元茨城勢は成年女子の400メートルで小林茉由(茨城陸協)が2位、1500メートルで平野綾子(水戸信用金庫)が4位入賞を果たした。 (成年女子400㍍決勝に挑む茨城の小林茉由)茨城チームに感謝の準優勝―女子400先のドーハ世界選手権で男女混合1600メートルリレーに出場した青山聖佳(島根・大阪成蹊AC)や同代表の松本奈菜子(静岡・東邦銀行)、国体2年連続2位の岩田優奈(群馬・中央大)ら実力者がそろった成年女子400メートル決勝。スタートしてから前半は「落ち着いて入った」と岩田らが先行した。200メートル付近で青山が上がり、カーブに入る。ここで「230メートルくらいから上がることを意識して練習してきた」小林が加速。直線に入ったところでは青山に続いて岩田と並んだ。小林はさらにギアを上げ、追い風にも乗って2位に上がり、そのままゴールした。タイムは54秒55のシーズンベスト。ゴール後は両手を顔に当て天を仰ぐ仕草も。「ほっとしました」と感極まり思わず涙がこぼれた。今年から社会人になり、環境の変化もあって調子が上がらなかったという小林。それでも、2位という結果に「日本のトップで戦える位置に来たのかな」と手応えを口にした。茨城チームについては、「本当にいいチームで、調子が悪い中でも頑張れって言ってくれて。レーンに入ったら一人だけど、みんなが常にそばにいてくれるような気持ちだった。茨城チームに来れてよかった」と声を震わせながら話した。「来年は東京五輪の代表を狙って、最終的にはそこで走れるようにするのが目標」と先を見据えた。 (残り1周でギアチェンジする茨城の平野綾子=中央=)平野、4位にも悔しさ―女子1500日本選手権覇者の卜部蘭(東京・NTTC)ら実力者が集った成年女子1500メートル決勝。平野は昨年、800メートルからこの種目に転向したばかり。レースは卜部を中心に展開。平野も最初の2周は落ち着いて入った。途中「きついところだったので、ずるずる離れてしまった」とやや先頭から離されたが、他の選手を利用しながら1000メートル付近で追いつく。残り1周のスピードアップにも対応し、ラスト200メートルからさらに加速。4位に浮上し、4分22秒11でフィニッシュした。ゴール後は会場の全方向に手を振った。「応援の声がすごく聞こえて。全部私に向けてだと思ったので、とてもうれしかった」と地元でのレースに笑顔を見せた。しかし、4位という結果には「悔しい。1番の子は無理だとしても、2番とか3番の子には追いつきたかったが、自分の弱いところが出てしまった感じ」と満足しなかった。 この日の成年男女決勝種目の優勝記録は以下の通り。成年男子400メートル 木村和志(香川・四電工)46秒92成年女子400メートル 青山聖佳 53秒74成年女子1500メートル 萩谷楓(長野・エディオン)4分17秒71 記事:早稲田大学 朝岡里奈、写真:朝岡里奈、早稲田大学 杉崎智哉
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陸上ー記事
中学最高記録も誕生-陸上競技3日目・少年の部
■陸上競技 チャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=12007910月6日、ひたちなか市の笠松運動公園陸上競技場では陸上競技が折り返しの3日目を迎えた。少年の部は3種別あり、高校2・3年生の少年A、中学3年生と高校1年生の少年B、そして中学3年生から高校3年生までが出場できる少年共通に分かれている。 高校生を破った恩田―トラック種目この日に決勝が行われた少年のトラック種目は、少年女子Bの100メートル障害、少年男子共通の110メートル障害、少年男子Aの5000メートル。少年女子B100メートル障害を制したのは、中学3年の恩田未來(群馬・館林四中)。今年の全日本中学校選手権では5位ながら、この日は同学年のライバルや年上の高校生相手に予選から存在感を見せた。決勝では13秒58の中学最高記録で優勝。「まさか優勝ができるとは思っていなかったので、すごくうれしい」と笑顔で語った。少年男子共通110メートル障害は村竹ラシッド(千葉・松戸国際高)がスタートから攻め、近藤翠月(新潟・新潟産大附高)らに追われる展開となりながらも最後までトップを守り切った。予選の13秒35、決勝の13秒37はいずれも追い風参考記録。8月の全国高校総体(インターハイ)に続く優勝となったが、「インターハイの結果はインターハイの結果、国体でしっかり結果を出したいと思っていた。決勝では後半が崩れてしまったのが今後修正すべき課題」と冷静に答えた。少年男子A5000メートルでは、インターハイ2位のダンカン・キサイサ(大分・大分東明高)がスタートからトップに立つ。3000メートル地点からは後続を一気に突き放し、13分57秒15で優勝。鶴川正也(熊本・九州学院高)に終盤追い上げられたが、1秒以上の差をつけてほとんど独走であった。 トップを独走するダンカン・キサイサ(大分・大分東明高) 少年女子共通三段跳びで優勝した中津川亜月(静岡・浜松市立高) 中津川が跳躍2冠―フィールド種目少年のフィールド種目は6種目が行われた。少年女子共通三段跳びは、インターハイの上位6人が顔をそろえるレベルの高い戦いとなった。3回目の試技を終えた段階で、インターハイ女王の小寺波音(愛知・安城学園高)が首位。インターハイに続く優勝に注目が集まったが、これに待ったをかけたのが前日の少年女子A走り幅跳びを制した中津川亜月(静岡・浜松市立高)だった。「(踏み切りより)助走のスピードだけを考えるようにした」ことで、良い手応えが得られるようになったという。5回目の試技。踏み切りの瞬間に「行った、と思った」という跳躍は、追い風参考ながら12メートル79で逆転。そのまま優勝を飾った。今後に向けて、13メートル以上の記録やU20日本選手権優勝を目標としている中津川。さらなる栄冠に向けて、研さんを積んでいく。インターハイでU20日本記録を出した藤原孝輝(京都・洛南高)らに大会記録の更新の期待もかかった少年男子A走り幅跳び。しかし、注目の藤原は終始記録が振るわない。そんな藤原を尻目に記録を伸ばしたのが鳥海勇斗(千葉・東京学館船橋高)だ。足を痛めていた影響で満足な練習ができなかったというが、1回目の跳躍で自己ベストの7メートル61をマーク。この記録を破る選手は現れず、鳥海がインターハイ2位の雪辱を果たした。この日に他に行われた、少年の部フィールド種目の優勝者と記録は以下の通り。 少年男子共通走り高跳び 江頭亮(大阪・大塚高) 2m18少年女子共通やり投げ 高橋奈々(兵庫・滝川二高) 52m63少年男子B砲丸投げ 小森直吏(山梨・身延高) 16m66少年男子共通円盤投げ 藤原孝史朗(沖縄・沖縄カトリック高) 51m40 記事:早稲田大学 伊藤可菜、杉崎智哉写真:早稲田大学 朝岡里奈、杉崎智哉
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弓道ー記事
仲間感じて放つ一矢 弓道
■弓道 チャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120068 10月6日、水戸市の堀原公園武道館弓道場は多くの観客で賑わっていた。弓道の少年男女・近的、成年男女・遠的で、どれも決勝戦が行われた盛りだくさんな1日だ。4県が種目別優勝に輝き、ともに戦い抜いた仲間と喜びを分かち合った。成年は女子が愛媛、男子は岡山が優勝(成年女子遠的で優勝した愛媛県。左から滝水、越智、玉木)(成年男子遠的優勝の岡山県。左から吉田、徳山、西村) 大会3日目となるこの日、はじめに優勝を決めたのは愛媛だ。滝水幸虹(聖カタリナ大)、越智夢叶(松山東雲短大)、玉木里奈(DCMダイキ)が出場した成年女子の遠的で、12射9中54点を記録。越智が4射皆中し、鹿児島との接戦を2点差で制した。 雨脚が強まる中での一戦となったが、雨の影響はあまり受けず、むしろ涼しくて競技しやすかったと振り返る。試合での緊張に備え、「(的の)上半分に当てるように」(玉木)と練習を重ねた。愛媛県の優勝は17年ぶり3度目。この結果に、3選手とも「嬉しい」と口を揃えた。 成年男子では、岡山県が優勝。決勝では、吉田章朗(岡山県警)、徳山陽介(本山学園)、西村英信(岡山県弓道連盟)が12射皆中95点と三重を圧倒した。西村は、今大会で国体出場20回目を迎える。「西村さんの20回目に花を添えよう」(徳山)と意気込んで臨んだ。決勝トーナメント全ての試合で全員が皆中という、抜群の安定感だった。実力者が揃った決勝では、相手がどこで何点だったか一切気にせず、自分の的に集中したという。「無心になれて、辛抱できたのがよかった」と西村は語った。実は、つい先日子供が生まれたばかりだという徳山。おめでたいことが重なった今大会を、2年連続6度目の優勝で彩った。少年は女子が愛知、男子は熊本が制す(少年女子近的で初優勝した愛知県。手前から太田、加藤、酒井) 少年の近的でも、白熱した試合が繰り広げられた。女子の優勝は愛知県。8月のインターハイで団体3位に入った太田陽菜、酒井杏佳(ともに豊橋商業高)に加藤莉茉(愛知みずほ大瑞穂高)が加わったチームだ。個人4位入賞の糸数智恵(興南高)率いる沖縄県との決勝戦は、どちらも12射7中ずつと拮抗し、競射にもつれ込む熱戦だった。加藤、酒井が見事に的中させ、目標にしてきたという優勝を現実のものにする。愛知県初優勝の快挙をもたらした。「全員の1本1本がなければ負けていたと思うので、よかった」と酒井は接戦を振り返った。(少年男子近的で優勝の熊本県。左から園田、岩元、細川) 男子は、園田慧伍(球磨工業高)、岩元奏磨(小川工業高)、細川凌平(秀岳館高)の熊本が優勝した。対戦相手は神奈川。両者譲らぬ試合が続いたが、最後の3射で勝敗がついた。岩元が皆中を見せ、12射10中で熊本に軍配が上がった。競技終了後、「このチームで最高の結果が出せて、最高です」と園田は満ち足りた表情を見せた。悔いが残らぬよう、という園田の言葉を胸に、調整を重ねて試合を迎えた。個々で良い練習を積みながら、隣に立つ仲間の存在を感じて弓を引く。チームでいることが楽しい、1試合でも長く戦いたい。そんな思いが導いた、7年ぶりの優勝だった。筆者:早稲田大学 犬飼朋花
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ボウリングー記事
男子は和歌山、女子は三重がともに初優勝―ボウリング成年男女団体(2人チーム)
■ボウリングチャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120076 10月6日、取手市のフジ取手ボウルでボウリングの成年男女団体(2人チーム)決勝が行われた。団体戦ならではのにぎやかな雰囲気で会場は盛り上がった。 国体の成年団体(2人チーム)は6ゲームの予選を行い、合計点の上位8チームが決勝に進出する。決勝は3ゲームを投げて予選と決勝の総得点により順位が決定する。今大会は男女ともに予選1位通過のチームが実力通りに得点を積み重ね、優勝した。男子は和歌山が神奈川の猛追振り切る この種目2連覇中の佐々木智之(湘南モノレール)率いる神奈川A が優勝候補筆頭かと思われたが予選通過はギリギリの8位で、1位とは171点差も開く厳しい展開。しかし、決勝ではストライクやスペアを連発して2ゲーム終了時には4位に。チームメイトの声援にも後押しされ、1位に14点差まで迫る3977点で2位に入り、前回王者の意地を見せた。 初の優勝を遂げたのは和歌山A。国体では個人戦で3度のパーフェクト、4度の優勝経験を持つ和歌山の安里秀策(イーストとレジャー)を中心に序盤から得点を取りこぼさない実力通りの活躍。決勝の3ゲーム目こそ神奈川Aの猛追にあったが、予選からのトップを守り抜いた。最後はストライクで締め、堂々の3991点で試合を終えた。(ダイナミックなフォームで得点を重ねた和歌山の安里秀策)女子は我慢の投球で三重に栄冠 女子は全日本ナショナルチームメンバーの谷原美来(百五銀行)と入江菜々美(三重県体育協会)の三重Aが実力を出し、予選1位で通過する。「二人で優勝したい気持ちと自分がうまく合わさって投げることができず、焦ってしまった」(谷原)、「セブンピン(左一番奥、スペアを狙うときに重要なポイントとなる)が今回すごく不安なところもあったが、スペアを取ろうと思って我慢して投げた」(入江)と言うように、決勝は我慢の投球が続いたが、予選からのトップを譲ることなく3693点で初優勝を決めた。(我慢の投球で優勝した三重の入江菜々美)筆者:東洋大学 小林夏実
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陸上ー記事
三段跳びと棒高跳びの魅力―陸上競技
■陸上競技 チャンネルぺージURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120079 10月4日から陸上競技が、ひたちなか市の笠松運動公園陸上競技場で行われた。フィールド内で行われる三段跳びと棒高跳びに焦点を当ててみたが、なかなか奥深い魅力的な種目だ。(三段跳びに挑む茨城の山下祐樹)三段跳びの山下が地元茨城を盛り上げる 三段跳は、ホップとステップを同じ足で踏み切った後、ジャンプを逆の足で踏み切ってどれだけ遠くまで跳んだかの距離を競う。助走のスピードをコントロールしながら、いかにバランスよく3回の跳躍をまとめるかが記録の鍵となる競技で、経験豊富なベテランの選手が活躍する傾向にある。 成年男子では、茨城の山下祐樹(茨城陸協)が見事なジャンプを見せた。山下は、2、3回目の挑戦は記録にならなかったものの、1回目の16メートル41の好記録でトップ8に残った。6回目の試技で長崎の山本凌雅(JAL)が16メートル85を跳んで優勝。山下は、16メートル57の好記録で準優勝の成績を収めた。茨城の選手、山下の活躍に、観衆が大いに盛り上がった。(成年女子棒高跳び決勝の記録を示す掲示板)成年女子棒高跳びは仲田が3位 棒高跳びはポールの反発力を使って、より高く跳べるかを競う。ポールを使いこなす高い運動能力と、固く長いポールを利用できる筋力とスピードが必要となる。 茨城の仲田愛(水戸信用金庫)が3位に入った。仲田は岩手国体では4メートル10で優勝。しかし、その後は6位、7位と低迷していた。今回こそはと挑んだ茨城国体。地元の声援を胸に仲田は4メートル00を記録して地元開催の国体で見事表彰台に立つことができた。仲田は表彰授与後、「ほっとした」と安堵し、涙を浮かべた。優勝したのは、那須真由(兵庫・RUN JOURNEY)だった。記事・写真:常磐大学 立原遥
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カヌー
茨城がカヌースプリント3種目で入賞
■カヌー チャンネルページURL;https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120085 10月にも関わらず、厳しい日差しが照りつける神栖市の神之池カヌー特設競技場で5日、カヌースプリント種目の500メートルが行われた。前日の天候不順により、予選・準決勝・決勝を1日で行う、やや厳しい日程となったこの種目。地元茨城は3種目で入賞を果たした。▽ラストスパートが見もの カヌーというと、2016年リオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得した羽根田卓也が頭に浮かぶ人も多いだろう。彼の種目は「スラローム」、河川などの激流で行う。国体でのカヌー競技は3種類。「スラローム」、同じく激流をくだる「ワイルドウォーター」、そして「スプリント」だ。「スプリント」は陸上や水泳のように、レーン分けされた静水面で複数の艇が一斉にスタートし、速さを競う。ゴール間際でのラストスパートは見ものだ。 それぞれの競技に、パドル(櫂・かい)の両側にブレード(水かき)がある「カヤック」と、ブレードが片側のみの「カナディアン」の2種類がある。スプリントのカヤックは長座で行い、スピード感があるのが魅力。一方のカナディアンは片膝を立てて進む。両側で漕げないため、風に左右されやすいが、選手たちが力強く漕ぐ姿が見られる。よく混同されるのがボートだが、違いとして、カヌーはパドルが固定されておらず、漕ぎ手が向いている前向きに進むのが特徴だ。(コンマ数秒を争うラストスパート)地元・茨城勢が健闘 それぞれの種目の日本代表経験者など、実力者が多数上位に入る中、茨城勢も健闘。地元の応援を力に、多くの選手が予選を突破した。成年男子カヤックでは宮永翔平(茨城県競技力向上対策本部)が3位に。少年男女カヤックペアでは、及川光祐(波崎高)と黒沢匠(那珂湊高)、仲野茉祐と保立千宙(ともに鹿島高)がいずれも6位に入賞した。保立は「地元での開催なので、プレッシャーを感じていた」と言うが、「自分たちの全部を出し切れて、良いレースを見せることができた」と笑顔で語った。仲野も「知っている人がたくさん応援に来るので、勝っていいところを見せたいと思っていた。それが実現できてうれしい」と入賞の喜びをかみしめた。(ラストで懸命にスパートをかける仲野・左と保立・右)筆者:早稲田大学 朝岡里奈
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ハンドボールー記事
石川が7連覇達成―ハンドボール成年女子
■ハンドボール チャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120092 守谷市で熱戦 10月6日、守谷市の常総運動公園体育館で実施されたハンドボール成年女子決勝は、石川が地元茨城を33-16で破り、7年連続12度目の優勝を果たした。この日は決勝に先立って午前10時に始まった3位決定戦から多くの観客が会場に足を運び声援を送った。3位決定戦は昨年準優勝の広島と同4位の熊本が対戦し、広島が16-15で逆転勝ち。熊本は昨年の準決勝で敗れたリベンジは成らなかった。 勝負を分けた立ち上がり(大会6連覇中の石川県に挑む茨城県) 優勝した石川は日本リーグの北國銀行の単独チーム。主要メンバーが10月1日まで行われた日本代表のノルウェー遠征に参加しており、主将で同遠征に参加した塩田沙代は「練習ができないままの大会だったので不安だった」と言う。一方の茨城は学生主体の選抜チームながら準々決勝で昨年3位の鹿児島を倒し、準決勝では広島に1点差勝ち。地元の大声援を受けて、快進撃を見せていた。 石川は立ち上がり、守備で茨城の得点源・グレイクレア・フランシス(筑波大)に2人がかりでの厳しいマークをし、簡単に攻撃を許さない。攻めてはノルウェー遠征に参加した大山真奈を中心とした素早いパス回しで相手を翻弄(ほんろう)。空いたスペースからのシュートもいいコースに決まり、開始10分で7-2とリードを広げた。エースを封じられ強引なシュートが増えた茨城に対し、石川は相手のファウルを誘う攻撃で7mスローを獲得するなど試合巧者だった。茨城のグレイクレアも5得点と奮闘したが、石川は同遠征参加の佐々木春乃が前半だけで7得点と大暴れ。前半を15-8で折り返した。 石川は後半も立ち上がり開始3分間に佐々木の得点などで2点を先取し、流れを渡さなかった。後半は茨城のシュートチャンスが増えたが、ハーフタイムにコーチからポジションの修正を受けていたGK馬塲敦子が好セーブを見せて得点を許さない。そのうち、茨城の選手たちの足が止まり、石川の素早いパス回しに対応できなくなった。石川は後半19分から25分にかけて6連続得点を挙げ、一気に勝負を決めた。茨城は残り2分間でグレイクレアらのシュートで2得点し、地元の観客を沸かせたが、そこまでだった。 北國銀行の監督でもある石川の荷川取義弘監督は「立ち上がりが重要だった。あそこの展開が逆だったら勝負は分からなかった」と序盤の攻防をポイントに挙げた。アウェーの空気にのまれず激しいマークと素早いパス回しを徹底して、主導権を手にした。若い茨城を相手にした一戦に、同監督は「経験の差が出た」とも。敗れた茨城のグレイクレアは「今度やるときは勝ちたい」と雪辱を誓った。子どもたちも楽しむ会場で印象的だったのは、子どもたちの楽しむ様子が見られたことだ。ハーフタイムには小学生が7mスローに挑戦する企画が行われ、ゴールが決まると温かい拍手が送られた。また、外に設けられたおもてなしコーナーでは守谷そばが振る舞われ、子どもたちがおいしそうに食べていた。地元の守谷高校にはハンドボール部もある。多くの子どもたちがハンドボールに興味を持つきっかけになっただろう。筆者:早稲田大学 菊池廉
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アーチェリー(成年)記事
アーチェリー成年男女は大阪と岩手が優勝
■アーチェリー チャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120099 10月6日、つくば市の茎崎運動公園多目的広場でアーチェリー競技が行われた。降り続けていた雨が止み、強い風が吹く中行われた成年男子団体は、神奈川県との接戦を制した大阪が2年連続5度目の優勝。成年女子団体は、岩手が大阪を破り2年ぶり2度目の優勝を果たした。チーム岩手で掴んだ栄冠(優勝が決定し、抱き合って喜ぶ成年女子団体の岩手代表の選手たち)岩手県は第1セット、第3セットで2ポイントずつ獲得し、4―2とマッチポイントで迎えた第4セット。大阪府に38―48とリードされて迎えた最終ショット。10点を射抜けば同点となり、1ポイント獲得できるため優勝が決まる大事な1本。プレッシャーの掛かる場面だったが、岩手の川渕真弓(ぴょんぴょん舎)が見事に的の中心10点を射抜き、岩手県が優勝を決めた。試合中、同じ岩手の選手団から大きな応援の声が飛び、それに応えるように出場した3選手も終始笑顔でコミュニケーションを取っていた。チーム岩手の絆の深さを感じた優勝だった。大阪、小野の活躍で接戦制す続いて行われた成年男子団体のゴールドメダルマッチ。このセットをとった方が優勝という状況で迎えた第4セット。神奈川は6回のショットを終え52点。大阪が逆転するには9点以上が必要とされる苦しい状況だ。勝負を決めるショットを託されたのは小野純一朗(日本体育大学)。重圧のかかる場面で小野は的の中心、X(10点の中でも中心に近い部分)を射抜き10点を獲得。大阪府の優勝が決まった瞬間だった。「国体に出るのは3回目だが優勝は初めて。最高の気分」と小野。最終セットは2ショットとも10点のショットを見せたが、「実は、2本とも10点の場所に狙いが定まっていなくて、僕のたまに出るラッキーショットが2回続いた」と苦笑いだった。「来年は個人の部でも1位を狙ってみたい」と、次回の新たな目標も語ってくれた。小野は現在大学4年生。更なる活躍に期待が高まる。(花束を持ち上げて優勝を喜ぶ成年男子団体の大阪の選手たち)筆者:駒澤大学 塩野遥寿
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アーチェリー(少年)記事
緊張感あふれる試合—アーチェリー決勝
■アーチェリー チャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=12009910月6日、つくば市の茎崎運動公園多目的広場でアーチェリー少年男女の決勝が行われた。前日とは打って変わってあいにくの雨、気温も低い中での開催だったが、熱戦が繰り広げられた。アーチェリーは、70m先の標的に矢を射て合計ポイントを競う。標的の直径は122cmで、中心から10段階に得点帯が分けられている。トーナメント方式の決勝ラウンドは1セット2分6射(2射×3人)の4セットマッチ。1セットの勝者に2ポイント、同点の場合は両者に1ポイントが与えられ、5ポイントを先取したチームが勝ちとなる。メダルマッチは1射ごとに点数が読み上げられたため、高得点が出ると会場は大いに盛り上がった。 愛媛が悲願の初優勝-少年女子少年女子決勝は、愛媛と山口が激突。愛媛が6―2で勝ち、初優勝を飾った。愛媛のメンバーは舟見舞姫、小原佳子、勝本由奈(いずれも松山東雲高)。愛媛は第1セット、第2セットを連取して4―0とリードしたが、王手のかかった続く第3セットで山口に相次いで高得点を出され、4―2とされた。しかし、第4セットは愛媛の勝本、舟見が高得点を叩き出し、最後は小原が落ち着いて6点を取って勝利を決めた。試合後、「ずっとこのメンバーでインターハイのときから優勝を目指して頑張ってきたので、その夢がかなってうれしい」と勝本。同じ高校で切磋琢磨してきた3人は喜びをみせた。 広島が2連覇-少年男子少年男子は、予選1位の広島と同2位の三重が決勝で対決した。試合は広島が3セット連続でポイントを取り、5―1で2連覇を成し遂げた。ポイントでは広島の圧勝に見えるが、試合は接戦だった。第1、第2セットの得点差は50―48、53―51。いずれも広島がわずかに三重を上回った。そして第3セットは両チーム譲らず、47-47の同点。広島が引き分けで1ポイントを獲得し、勝利を決めた。広島のメンバーは伊藤魁晟(東京・足立新田高)、松川智哉(佐伯高)、市林祥磨(広島工業高)。見事に優勝を決めたチームだったが、一人悔しさをみせていたのが、広島出身で東京都内のJOCエリートアカデミーで練習するチーム最年少の伊藤だ。「昨日良い状態で打てていたのが、決勝という大事な場面で出せなかったのが一番悔しい」と試合を振り返った。 (少年男子の決勝を終え、握手する広島、三重両チーム)筆者:早稲田大学 山床亮太
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ライフル射撃ー記事
弾を使うライフル射撃3種目in県営ライフル射撃場
■ライフル射撃 チャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120083 10月4日、茨城県桜川市の茨城県営ライフル射撃場でライフル射撃の成年男子50mライフル三姿勢(120発)と同10mエア・ライフル立射(60発)、成年女子10mエア・ピストル(60発)の3種目が行われた。これらの種目にはすべて弾が使用され、同日、別会場で行われた光線を使う少年のビーム・ピストルとは区別される。 岐阜の橋爪が2連覇-成年男子50㍍ライフル三姿勢 立射、膝射、伏射の三つの射撃姿勢で競う成年男子の50㍍ライフル三姿勢を制したのは、前回優勝者の橋爪一馬(岐阜)だ。予選を2位で通過すると、ファイナルでは2位に2.6点差をつけて勝ち抜いた。過去毎年のようにファイナルに出場している橋爪だが、大会2連覇で強さを実証した。 滋賀の田畑、大会新で初優勝-成年女子10mエア・ピストル 成年女子の10mエア・ピストルは予想外の展開となった。前回大会の優勝者でもある藤村優美(大阪)をはじめ、毎年ファイナルに残る選手が勝ち抜き戦で次々と姿を消す一方、安定した射撃を見せたのが田畑実菜(滋賀)だった。他選手に比べ、ベストショットの数が群を抜き、236.4点のファイナル大会新記録で初優勝を果たした。試合後、「(予選で)落ちるかなと思ったんですけど、優勝しちゃいましたね」と自身も驚きを隠せない様子だったが、「(2024年の)滋賀に向けて練習を頑張りたいと思います」と意気込んだ。 岡山の岡田が3年ぶり栄冠-成年男子10mエア・ライフル立射(エアライフルで優勝した岡山県代表の岡田直也) 成年男子10mエア・ライフル立射では、岡田直也(岡山)がファイナル247.7点の大会新で3年ぶりの優勝を果たした。ファイナルでは予選1位通過の遠藤雅也(岐阜)が早々と8位に敗れたが、表彰台争いは大接戦。優勝争いは後半に安定した射撃を見せた八川綾佑(大分)が暫定1位の岡田を追いかける形となったが、岡田は最後まで集中を切らすことなく逃げ切った。岡田がこの種目で優勝したのは3年ぶりで、「ふるさとに良い結果を知らせることができてうれしい」と喜んだ。今後に向けては「オリンピックに向けて、日本記録を更新する勢いとは言わず、(日本記録を)更新して出場を決めたい」と2020年東京五輪出場へ強い意志を示した。 記事・写真:早稲田大学 金岡知葉
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テニスー記事
テニスの総合優勝は埼玉
■テニス チャンネルページURL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120082 10月2日、神栖市の神栖海浜庭球場で、テニスの成年男女・少年男女の決勝が行われた。試合は4面で同時に行われ、それぞれ熱戦が繰り広げられた。 国体でのテニスは、1チーム2人のチーム戦方式で戦い、シングルス2試合とダブルス1試合で戦う。それぞれの試合は1ゲーム4ポイントの8ゲーム先取した方が勝ちで、先に2勝したチームの勝利となる。少年女子は兵庫が13年ぶりの優勝(少年女子兵庫の木本海夢夏) 最初に優勝を飾ったのは少年女子の兵庫だ。決勝は神奈川と対戦し、兵庫の木本海夢夏(みうか、相生学院高校)が後半の粘りを見せて8―5で先勝すると、松下菜々がその流れに乗り、序盤からリードを広げ勝利を決めた。兵庫は13年ぶり13度目の優勝。成年男子は三重が快勝(成年男子三重の島袋将) 成年男子決勝は、三重と愛媛の対戦だ。初戦、三重の関口周一(三重県体育協会)と愛媛の片山翔(伊予銀行)が互いに一歩も譲らない一進一退の攻防を見せたが、7―6での三重リードで迎えたゲームで、関口が一瞬の隙を突き、勝利をつかみ取った。続いて三重の島袋将(早稲田大学)が気迫あるプレーで相手を圧倒し、2―0で7年ぶり4度目の優勝を遂げた。少年男子は埼玉が2年連続優勝(優勝の喜びを応援者と分かち合う少年男子埼玉の松下龍馬=手前=と齋藤恵佑=奥=) 少年男子決勝は、埼玉が兵庫を2―1で下し、2年連続2度目の優勝。埼玉の斎藤恵佑(日出高校)が先勝すると、続く試合では8―8のタイブレークにもつれ込み、兵庫が勝利してタイに持ち込んだ。最後のダブルスでは埼玉の松下龍馬(秀明栄光高校)、斎藤ペアが兵庫ペアに勢いとパワーで打ち勝ち、2連覇を果たした。成年女子は大接戦の末、埼玉が2連覇(成年女子埼玉の清水映里) 成年女子は埼玉と三重が熱戦を演じた。埼玉は輿石亜佑美(竜興化学工業)が相手の攻撃的なプレーにも打ち勝って先勝。しかし、続く清水映里(早稲田大学)が競り負けてタイに。ダブルスでは埼玉ペアが大接戦を制して9―8で粘り勝ち。思い切りの良いプレーで2年連続3度目の優勝を飾った。 この結果、茨城国体のテニスの総合優勝は、少年男子と成年女子を制した埼玉が勝ち取った。 先に優勝を決めた埼玉の少年男子の選手たちが、成年女子の選手を応援する姿が見られた。少年男子の斎藤は「試合が終わった後の応援には結構力を入れた」と語り、「うちは年齢が離れていても仲が良いので」と誇らしく思う様子だった。また、成年女子の清水は決勝について、「埼玉の総合優勝が懸かっている試合だったので、絶対優勝したい気持ちで戦った」と振り返り、「(少年男子の)2人が応援してくれたので、とても力になった」と話した。記事・写真:早稲田大学 金岡知葉